2009年09月08日

八ヶ岳日記

1日目

起床が7:00という時点で、やる気が感じられない(爆)
朝食を食べていると、母親から「今日から山に行くんじゃなかったの?」
「ん、これから準備して出かけるけど・・・(-_-)ZZZ」

しかも、前日に準備していないどころか、
計画書すら書いていない。
朝食後に計画書を間に合わせで作る。
わずか15分で、不備だらけの手抜きの計画書が出来上がる。
元大学サークル25代目、鬼のリーダー長だった自分であるが、
現役時代にこんな不備だらけの提出されたら、確実に泣かすだろうな。
今は、自分に甘い俺(-_-;)・・・情けない奴め。


全行程は3日間。
頑張れば1泊2日でも帰って来れるコースなのだが、
この2カ月陰鬱で自律神経は不安定だわ、
先月の沢登りでも翌日寝込むほど体力低下してるわで、
心配事項が多すぎる。
それに高地だから空気も薄いし、夕立、落雷、気温の急低下(この時期でも運が悪ければ0℃近くまで下がる)など、危険因子が想定される。
だから余裕を持って2泊3日にした。
(計画当初は、初日の土曜日の天気が悪い予定で、天気が悪くても歩けるコースを選んだ、という理由もある)

初日の行動時間は3時間。
それも高低差はほとんど無く、半分以上は林道歩きである。
コースに余裕を持たせてある。

だからって、出発が9:00というのは、遅い。
現地に13:00に着いて、16:00に山小屋。
しかも山小屋の予約は、諏訪湖のサービスエリアで初めて電話を入れる。
計画的に余裕が感じられない。明らかな準備不足。
また自分を責める要素が増える。良くない傾向。

出発しても、いまいち気分が上がらない。
「エクスタシーが足りない!!」
・・・そう言って、
エクスタシーレコード時代のBGMに切り替える。
・・・分かる人だけ分かってください(ーー;)

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現地到着。不備だらけの登山届を提出し、準備運動をして出発。

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しばらくは林道歩きだ。しかし、いまいち調子が上がらない。
予想していた通り、足と心臓のリズムが合わない。呼吸も不自然。
持病のネガティブ妄想癖。自分の意志とは無関係に脳内に不純な思考が止まらない。そして理性が効かない。
自分は何か葛藤しているらしく、ブツブツ何かを呟いている。
気味の悪い登山者。

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トリカブトと知らないキノコ。八ヶ岳は自然が豊かだ。

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火山であるため、川が赤い。

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とりあえず、小屋到着。
小屋に着いた達成感は、とりあえず義務を果たしたような感じ。
コースの割には手こずった。そんな自分に納得がいかない。
いちいち気にすることでもないのだけど・・・だけどそんな状態。
あー、やだやだ(-"-)

気を取り直して。

この小屋は赤岳鉱泉といって、温泉が名物。
山小屋に着いたら、早速お風呂へ。
浴槽は大人3人で一杯になってしまう大きさで、
でも自分を入れて6人居た。だから裸になって、順番待ち。
しかし、ほとんど待つこともなく、
「熱いわ」「長く入れっていられない」と直ぐに空いた。
自分を入れて、残り3人。
僕以外の人が入ろうとする。
「熱ッ!!」
入れないでいる2人。
その時、僕にはとある看板が目に入った。

「お湯が熱い場合は、バルブを開けて水を入れてください。」

バルブ?ん?これの事か?試しに少しひねる。・・・水だ。
確認してから他の2名に告げる。
「あの・・・ここから水が出るみたいですよ。これで温度調整するみたいです。」

「本当だ!!」「お若い人!(⇒僕)すごい発見だ!!」
「あー、ええ湯になったわ!」
「ちょうど待ってる人もいないし、ゆっくり入って居られるわ。」
「お兄さんのおかげで、良い風呂に入れたよ。」
「兄ちゃん、あんた赤岳鉱泉の英雄だな。」

この会話、全く誇張なしの実話です。
・・・まさかバルブをひねっただけで英雄の称号を得るとは。(^_^;)



そしてさっぱりしたところで、夕食。
大抵、山小屋というところは、食材などをヘリで運ぶため、贅沢は言えないことが多い。
だが、此処は違った。
本日のメニュー「ステーキ」

・・・(゜-゜)!?
目を疑った。この小屋では、豚の生姜焼きをステーキと言うのだろうか??

・・・信じられない。牛肉だ。

しかも、生肉とバターが並んでいる。自分で焼いて食べるのだ。
山小屋でこんな美味しいものが食べれるとは!

風呂付で、食事が高給で、水も使い放題(山小屋は場所によって有料となることが多い)なのに、1泊9,000円はお得だ。
しかも、トイレは便座にヒーターが入っている。
寝室が相部屋でなければ、山小屋とは思えない。

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食後に野外の撮影。
主稜線はガスって見えなくなっている。
満月で星はあまり見えない。
とりあえず、雲が切れた瞬間を狙った1枚。

今夜は泊っている人が少ないため、相部屋でも広く使えた。
隣の人とは布団1枚置きなので、気を遣わなくて済む。
それでもいびきがうるさくて全然寝付けなかった。


2日目

朝食が6時なので、5時30分起床。山の朝にしては、遅い。
特に僕の場合は早朝に撮影に出てしまうため、朝食を食べずに出ることが多い。
でも今日は中腹に居るために、日の出の撮影の必要がない。
稜線はガスがかかりやすいので、大気の安定している早朝にたどり着きたい。
ということで、朝食を終えた6時15分に、直ぐ出発した。

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樹林帯を登る。登りとしては今日が本番だろう。
昨日、不調なりに体を慣らしているので、好調というほどでもないが、
可も不可もない調子である。若干不安気味。まだちょっと弱気。

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しかし、登山道が歩きやすいこともあり、1時間ほどで樹林帯を抜ける。
想像以上に順調。

それから30分後、稜線に出る。最初の山頂硫黄岳を過ぎる。
順調なので、返って特筆することがない・・・(^_^;)

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午前8時でも、ガスが上がり始めている。
標高は2,500m〜2,700m付近をアップダウンする。
酸素が薄いため、息が上がりやすい。
特に自分のように無駄に荷物が重い人は、段差での踏ん張りで酸素の消費量が全然違う。

そこで、相変わらず何か葛藤している陰鬱な自分。
常に脳が何かネガティブな妄想を垂れ流してくれる。
晩期の芥川龍之介はこんな感じだったのだろうか(-_-;)
“思考する”ということは、脳に血液が行くため、酸素の薄い状態で妄想が始まると、クラクラしてくる。動いていなくても息が上がり、動きが止まる。
この状態が下界でも発生していると、うつ病と言います。by軽傷患者。

「不純な事考えてるから進まねぇんだよ、バーカ。」

どうやらアイツがやってきたらしい・・・別人格の俺による叱咤激励(?)
しばらくネガティブな僕と、前向きな俺による、一人二役の脳内会話が続く。

「ケッケッケ、また息があがっていやがる。ザマミロ雑魚が。振り返ってばかりじゃ前に進まねぇんだよ。今、振り返る時か?道はは明瞭だろうが。歩け。精神に負けてるんじゃねぇよ!」

言ってることはごもっともだが、こいつはこいつで性格が悪い…特に言葉遣い。
普通に「頑張れ」とか言ってくれない酷い奴。
中間はないのか、中間は。普通の人間になりたい(-_-;)

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そうしている間に、八ヶ岳連峰の難所と呼ばれる、横岳の岩場にやってくる。
高度感のある鎖場で、足場は痩せている。
・・・といっても、自分は慣れているので、雨や風なら問題だが、今日の天候では、大して怖くない。

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天国への階段(苦笑)
大荷物を背負っている者にとって、いじめである(涙)
岩場になると、両手両足、そして頭を使うためか、
変な妄想から生まれた脳内の二人は、何処へ消えたらしい。
これでようやく普通の人になれた訳だ。
下山してからも、そうであってほしいのだが(´Д`)=3

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なんだかんだ言って、八ヶ岳最高峰、赤岳への登りまでやってきた。
今夜は、この山頂にある頂上小屋で宿泊するため、今日の最後の登りである。
しかし、写真で見て分かるように、最後の登りは、直登になっている。
斜度としては、冠山の最後の壁と同じくらいだろうか?
で、それを真っすぐ登るときたもんだ。極悪。(-ヶ-;)

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そして山頂到着。時間は12時。完全にガスの中。残念。
ガスで何も見えないが、濃度は薄い。
下界は晴れていて、八ヶ岳の山頂にだけ雲がかかってる状態だろう。
天気予報では“晴れ”。
だけど自分が雲の中に居てはどうしようもない。
山はそういうものである。
山小屋のチェックインを済ませ、夕食まで時間をつぶす。
こんなところでも「池袋ウエストゲートパーク」。
あまりにも世界観が正反対の絵空事だ。それが妙におかしい。


17:30からの夕食を済ませると、間もなく日没だ。
相変わらずガスっていて、夕陽を見ることは出来なかった。
しかし、風が穏やかで、緩やかにガスが移動している。
となると・・・

案の定、日没後に気温が安定して、ガスが晴れた。
山でガスが発生するのは、下界と山頂の気温差が大きいと、風が発生して雲が出る。
夜になって、初めて山頂から下界を見た。

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満月と雲海。今まで歩いてきた横岳方面。

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南方向。甲府の夜景と星空。
PC上では星が分かりにくいのが残念。ちゃんと写ってます。
19:00〜21:00の撮影時間は、あっという間だった。
月が明かるすぎて、星は見えないほうであるが、それでも十分だった。
星の撮影は長時間の露出が必要。1枚の写真に10分かかる。
風もなく、音もない、視界だけの世界。
ただ一つの小さな存在だけが佇んでいた。
2,899m、星空の下。


3日目

3:30起床。
夜空は相変わらず穏やか。
月の位置が移動しているため、昨夜とはまた違う星空を撮影しながら、夜明けを待つ。

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4:00頃。
日の出の時間は5:15となっているが、地平線が徐々に明るくなり始め、朝焼けが始まる。

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そして、ご来光。この時ばかりは、他の登山客もやって来る。
八ヶ岳は、北、中央、南アルプスと最も異なるところは、東側に大きな山が無いことである。
太陽が山影からではなく、水平な地平線から登って来る。
これは僕にとって初めての経験で、とても感動した。

山小屋の人に事前に話しておいたけど、撮影で朝食の時間に遅れた。
片付けが始まる食堂で、一人で食べる食事は寂しい(:_;)

6:00下山開始。
今日の行程は、阿弥陀岳を経由して尾根を下山する。

出発前に同じ宿泊者の八ヶ岳ベテラン登山者にアドバイスをもらった。
「君のル−トはマイナーなル−トだから、今日なんか誰にも会わないかもね。それからその尾根は地元の村との村界会尾根だから、村の赤い境界杭が目印になるよ。」

・・・境界杭と聞くと、どうしても赤鉛筆を思い出すのは気のせいだろう。

赤岳南方の岩場を下り、再度阿弥陀岳に登り返す。
この山も、赤岳に負けず劣らず、急傾斜の直登だ。
しかし、主稜線から外れたこの峰は、やはり登山者が少ないのか、
急傾斜にも関わらず鎖が無いという不親切ぶりである。
世の中の待遇は、人気の有無で大きく違う。

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阿弥陀岳登山道より、赤岳を振り返る。
富士山とのコラボレーション。

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阿弥陀岳山頂。南アルプスの、右から仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、北岳。
八ヶ岳連峰の中でも、西に飛び出た位置にあるため、諏訪盆地方面の展望が良い(^O^)/
この日の視界はすごかった。写真では伝えられないのが残念だけど、北、中央、南アルプスをはじめ、御嶽山、後立山連峰の白馬岳、頸城山塊(新潟県)の妙高山まで見える。
日中の景色では一番感動した。

後は、そのまま尾根沿いに下山するだけ。
だが、難が無いほど甘くなかった。

普通は、尾根というものは傾斜が緩いのが一般的。
しかし、この尾根は手加減のない急傾斜。
そして人気が無いコースなので、整備が冷遇されている(-_-;)

・・・。

ここを降りるの?・・・完全に崖じゃん!!Σ(・◇・)!!

一応、ナイロンロープが1本ぶら下がっているが、足場の傾斜がきつすぎて、エッジを立てても効かない。地質が土なので、足をつけるだけで崩れていくのである。本来の登山道というよりは、雨で崩れ去ったような地形だ。

「これは村界尾根じゃなくて、損壊尾根だよね・・・」

そう思った瞬間、足元が崩れた。(実話)
小規模の土砂崩れが発生。・・・おそろしや。(>_<;)

1時間ほど難所が続いたが、抜け切った後は、予定通りの緩やかな尾根道。
10:30、無事下山。\(^o^)/



下山したら真っ先にすること。下山届の提出。
そして次はお風呂!
もう、自分で自分が汗臭くて仕方が無かった。
日焼けにあせもが発生して、不愉快極まりない。
ありがたいことに、登山口の山荘で入浴できるのだ♪

ふぅ〜〜〜、さっぱり(^−^)♪

帰宅の運転、居眠りしないように気を引き締める。
諏訪湖のサービスエリアで、ソースかつ丼の昼食。

そのとき気づいた。腕時計を風呂場に忘れてきた(爆)

山荘に電話をかけて、郵送をお願いした。
相変わらず、オチの無いことが無い(-_-;)



それから、これは登山前から忘れていたのだが、精神安定剤を忘れている。
だから丸3日、薬を飲んでいないことになる。
初日は元々情緒不安定だったから仕方が無いが、これを書いている現在でも落ち着いている。
精神鍛錬。登山療法は効果があったのだろうか。
不安を抱かない強さ、取り戻したかな。
もう、そういう自分におさらばしたいんだよね。
次回の診察まで安定してたら、薬をやめる提案をしてみよう。
posted by くうきびと at 00:25| 🌁| Comment(55) | TrackBack(0) | 旅人さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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